世界のアートが一堂に集まるアートショーが今年もロンドンで開催
毎年恒例の世界最大のアートショー、フリーズ。フリーズ・アートフェアは、もともと1991年に2人の幼なじみ、アマンダ・シャープとマシュー・スロットバーによって創刊された雑誌「FRIEZE」から始まった。雑誌編集を経て、2003年にロンドンフリーズが設立。エヴァ・ラングレットはフリーズ・ロンドンのディレクターを務める。現代アートと、現役のアーティストだけに焦点を当てた、世界で最も影響力のある現代アートフェアの一つで、毎年10月にロンドンの中心部にあるリージェンツパークで開催されている。
それ以来、このフェアはニューヨーク、マイアミなど世界各地で開催、世界最大の現代美術の展示会としてその地位を確立している。毎年、180以上の世界的なギャラリーと数百人の現代アーティストを5日間にわたって受け入れるフリーズは、アーティストを直接紹介することに力を入れており、それが大きな特徴の一つとなっている。2014年のフェアでは、アーティストと観客がよりインタラクティブに交流できるような企画を行うなど、新しい試みも見られた。
屋外アートインスタレーションも見逃せない
今年のフリーズアーティストアワードに輝いたのはアバス・ゼハーディ(Abbas Zahedi)。「Waiting With {Sonic Support}」と題されたこの作品は、公共の待機場所と公共のサポートスペースという2つの特定の場所の融合として見ることができ、ゼハーディの国境、境界、システムやネットワークの中での事象の動きに呼応するように構築された。
中央アジアのソビエト時代のバス停をモチーフに、屋根の構造体にはリサイクルされたテトラパックカートンを使用しています。ここでは中のイベントも聞けるようになっており、外と中を繋いでいるのです ー アバス・ゼハーディ
フェアの入り口に隣接するこのインスタレーションは、ハーレイ・グレイ、バッサム・イベリーニ、ニューロフリンジと共同でデザインした木製の構造体で構成され、モダニズムのバス停の建築様式を思わせるものとなっている。フェア期間中、この構造体は一連のライブアクティベーションを主催し、その模様はDIYラジオを通じてオンラインとフェア会場の中心部に配信。このインスタレーションは、空間を保持し創造する音の可能性に関するアーティストの研究をさらに推し進めた。
ゼハーディは、このインスタレーションに関してこう説明する。
「中央アジアのソビエト時代のバス停をモチーフに、屋根の構造体にはリサイクルされたテトラパックカートンを使用しています。ここでは中のイベントも聞けるようになっており、外と中を繋いでいるのです」
今年の参加アーティストは、制作とインスタレーションのプロセスにおいて、持続可能なアプローチを考慮するよう求められた。この賞の基準に沿って、ゼハーディは再利用可能で持続可能な素材を使用し、インスタレーション会場への破壊的な影響を最小限に抑える。